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最前線で見た希望:スーダンへの再訪で私たちが目にしたもの

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最前線で見た希望:スーダンへの再訪で私たちが目にしたもの エルリアン女子初等学校の生徒たち、写真:石原陽一郎 / 世界銀行グループ

2025年12月、世界銀行の小規模なチームが、事実上の政府が暫定首都とするポートスーダンに到着しました。これは静かな出来事ではあったが、非常に重要な節目でした。2023年4月に壊滅的な紛争が始まって以来、初めての訪問だったからです。

私たちは今回の訪問にあたり、あらかじめ決めたソリューションをいくつも携えていたわけではありません。はるかに重要なことをするために、つまり人々の声に耳を傾けるために赴いたのです。そこで何度も耳にしたのは、シンプルながらも強いメッセージでした。雇用こそが貧困から脱け出すための確実な道であり、何よりも明確な希望である、ということです。スーダンの復興支援にあたっては、常に雇用の視点を組み込むようにしています。
 

数字の裏にある現実

ニュースで紛争が取り上げられる際、強制移住や経済の低迷に関する統計を目にすることがよくあります。しかし現地では、数字だけではわかりにくい現実を知ることができます。停電が続き医薬品や教材が乏しくても、決して諦めない医師、教師、母親グループのリーダーたちから話を聞くことができました。

資金が乏しい中で診療所を維持するため日々奔走し、机や椅子さえない教室で授業を続けている姿には胸が締め付けられる思いです。スーダンの人々は戦争により深い傷を負っています。それでもその精神が揺らぐことはありません。保健医療や教育は人的資本への投資です。人々が仕事に復帰し、以前のように収入を得て、再び尊厳を築くための健康と技能をもたらすからです。

現場で見た人々の強靱性

今回の訪問では、会議室を離れ、実際に人々が暮らす現場に足を運びました。

  • アーメド・ガシム保健施設:妊婦や新生児の頼みの綱である助産師や医師から話を聞きました。彼らの仕事は病気の治療にはとどまりません。救急車の手配さえさえ困難なこの町で、栄養支援と妊産婦ケアを提供しているのです。基礎的保健サービスの機能を途絶えさせないことは、将来の労働力確保につながるとともに、保健システムそのもので雇用を創出してもいます。 
  • エルリアン女子初等学校:奨学金は極めて大きな影響を及ぼします。経済的な援助はもちろんですが、女子児童が学校に来て授業を受けることには実に大きな意味があります。同校の教師たちは、教育は家族の未来への希望の究極の形であり、特に女子にとっては雇用への架け橋になる、と改めて強調します。今日こうして学校で学ぶことが近い将来に生計や地域社会の強靱性に結びつく可能性があります。
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アーメド・ガシム保健施設での授乳中の母親と妊婦、写真:石原陽一郎/世界銀行グループ

 

今後に向けて:村全体で取り組む必要性

今回の訪問で得られた最大の教訓があるとすれば、国際支援は現地で日々懸命に取り組むヒーローたちを支援するときにこそ効果があるという点です。

世界銀行グループは、国連機関、国際NGO、スーダンの現地組織とこれまで以上に緊密に連携していきます。重点的な支援対象は、清潔な水、安定供給される電気、安全な学校の再建を通じたコミュニティの機能回復です。いずれも不可欠なサービスであるだけでなく、地元の企業や生計の段階的再開を公共サービスと結びつけることで雇用創出エコシステムの基盤になると考えています。

先行きに影を落とす要素があることも無視するわけにはいきません。地雷の危険や、家を失った人々の支援など困難な課題が山積しています。
 

重要なこと

今回の訪問によって、スーダンの直面する問題が解決されたわけではありません。しかし、とても大きな成果を残しました。信頼を再構築したのです。

最も印象に残ったのは、政策文書やデータを示す資料ではありません。生徒のために教室に立ち続ける教師や、患者のために夜遅くまで働く看護師の姿でした。その強靱性は、称賛されるだけでなく、ともに支え続けるパートナーシップと連帯に値するものです。

世界銀行グループは、スーダンの人々と共に歩みます。今日も、明日も、そしてこれからも続く復興に向けた長い道のりの先まで。


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